コンサルタントや会計職(税理士・公認会計士・会計コンサルタント)を目指している学生のみなさん向けに、日本経営グループのリクルーターや採用担当者が、採用活動の舞台裏や就職活動に役立つ情報などを発信していきます。

税理士、会計士の違いと魅力とは?

皆さんは「税理士」「会計士」と聞いて、どのようなことを連想されるでしょうか?
私は、恥ずかしながら、学生時代には違いは分かりませんでした。ただぼんやりと会計士は上場企業を相手にしている、それに対し、税理士は規模の小さな会社や個人を相手にしている、ということをイメージしていたように思います。今から考えると、よくそんなことで資格を目指したな、と思ってしまいます。
私は、2009年に公認会計士試験を合格し、今では公認会計士だけでなく、税理士の登録もして、どちらの仕事もしています。公認会計士の業務も税理士の業務も経験している今だからこそ、感じるところも多々あります。



まず、公認会計士という職業ですが、できる仕事は非常に多岐に渡ります。皆さんが一番イメージしやすい上場会社の監査が一番有名ですが、それ以外にも様々です。
最近、ドラマで「ハゲタカ」が放映されていましたが、企業の査定についても大抵のケースで公認会計士が関わっています。とはいえ、監査というものが実際にどういうものかをイメージするのは難しいと思いますので、簡単に説明させて頂きます。
監査とは簡単にいいますと、会社が作成している決算書が、定められた会計基準のルールを守っているかどうか、を保証することです。
なぜルールを守る必要があるか、ですが、会社には様々な人が関わっています。 株主であったり、投資家であったり、金融機関、得意先、仕入先など数えるときりがない程の人がいます。いわゆる「ステークホルダー」と呼ばれる人達です。
投資家を例にとると、どのような会社に投資をするかを考えた時に、順調に利益を出している会社や将来性のある会社に投資をしたいと考えるのが自然だと思います。その時に投資家の判断材料になるのが、会社の決算書です。
この決算書が正しいルールで作られていなければ、投資家は誤った判断を下す可能性がありますし、同じような業種の会社でそれぞれ適用しているルールが異なれば、比較をすることもできません。公認会計士が決算書が正しいことを保証することで、投資家も正しい意思決定を行うことができます。大げさかもしれませんが、公認会計士が市場経済というものを支えているといっても過言ではありません。
このように公認会計士は非常に重要な職責を担っています。
また、監査は代表的な公認会計士の業務ですが、監査以外にも、M&Aをする際のデューデリジェンス(企業や投資先の価値やリスクなどを調査すること)であったり、価格の算定なども公認会計士の業務として行われています。加えて、近年では会社の外ではなく中に入って、会社の決算書を直接作成する立場になられる方も多数いらっしゃいますし、決算書を見る力を活かしてコンサルティングをされる方もいらっしゃいます。
以上のように、公認会計士の業務は非常に幅広いものとなっています。



一方、税理士という職業ですが、こちらは簡単に言えば「税金の専門家」です。
納税者から依頼を受けて、申告の代理や書類作成、税金に関する税務相談の業務を行います。
わが国の税務システムでは、納税者が自ら計算して税務書類を作成し、納税するという「申告納税制度」が採用されています。そのため、納税者は自ら税務書類を作成して税務署に申告しなければなりません。
しかし、実際の税務書類の作成や、その前提となる様々な会計帳簿の作成には会計と税務に関する高度な専門知識が必要です。そこで、会計と税務の専門家として、納税者の申告納税を手伝うのが税理士の業務です。
そのため、税理士は税法に精通していなければなりませんが、この税法というものは実は非常に数が多いのです。法人税法、所得税法、消費税法、相続税法など、●●税というものは幾つもあります。
とはいえ、税理士であれば全ての税法に精通しているかというと必ずしもそうではありません。法人税に強い人が必ずしも所得税も強いというわけではありません。 例えば、お医者さんをイメージして頂けると分かりやすいかと思いますが、内科のドクターもいれば外科のドクターもいます。ただ、税理士の場合は、●●税専門とはあまり言いませんので、税に関することは全て知っていると思われています。
そのため、その期待に応える必要がありますので、非常に幅広い税務知識を身に付ける必要があります。
そのような税理士の仕事ですが、毎月の監査を通じて会社の試算表や決算書を作成したりすることから、公認会計士に比べると会社に近い存在であり、様々な相談が寄せられます。
相談内容は会計や税務だけに限りません。従業員の問題や会社の運営体制、時には経営者個人のライフプランに関することまで非常に多岐にわたります。
よく、「経営者は孤独である」と言われますが、会社の経営者は自分の抱えている悩みを相談できる人が本当に少ないのです。
皆さんは気軽に誰にでも相談したらいいじゃないの?と思われるかもしれません。ただ、考えてみて下さい。皆さんは自分の貯金が幾らあって、今月のアルバイト代は幾らで、といったお金の話を誰にでも気軽にしていますか?なかなかお金の話は気軽にできない人の方が多いのではないでしょうか。
会社の決算書を作成するということは、その会社の全てを知ることとなります。何に幾ら使っているのか、また儲けはどれぐらいなのか、も全て分かります。税理士は会社のことを全て知っているため、経営者の方も安心して相談ができるのだと思います。そういう意味で税理士は経営者に寄り添った存在であり、非常にやりがいのある仕事だと思います。



以上が税理士という職業の基本的な業務、位置づけになりますが、自身の専門性を駆使して更に活躍のフィールドを広げることが可能です。

少し私のことについて書かせて頂くと、私は公認会計士であり税理士でもありますが、現在の私の業務は税理士としてのウェイトが非常に多くを占めています。とはいっても、税理士と決算書や申告書の作成をしていることはあまりありません。
業務として行っていることは、会社の事業承継であったり、個人で相続に悩まれている方のお手伝いをさせて頂くことが多いです。どういった税金かというと、法人税であったり相続税というものに関係するものです。いわゆる税金に関するコンサルティング業務というものに該当します。
私は、経営者に寄り添った立場で経営者の喜ぶ顔を近くでみることにやりがいを感じているところがありますので、性格的に税理士という立場で仕事をしている機会が多くなっているのかもしれません。
ただ、それは公認会計士という仕事が自分に向いていないから、とかそういうわけではありません。要は、自分自身がどうなりたいのか、ということを常に意識しながら仕事をすることが大切です。その気持ち次第で、自分のやりたい仕事が決まっていくのだと思います。
現在、どちらの資格を目指すかを悩まれている方にとって、本記事が少しでも参考になりましたら幸いです。

日本経営ウィル税理士法人
トータルソリューション事業部
公認会計士、税理士
吉田朋由